「過剰歯(かじょうし)」という言葉を聞いたことはありますか?
過剰歯とは通常よりも歯が多く生えてくることです。
子どもによく見られる症状ですが、大人の場合でも生えてくる可能性があります。
今回は過剰歯とはなにか、また原因や対処法について紹介します。
過剰歯(かじょうし)とは?
一般社団法人 豊橋市歯科医師会によると、過剰歯は以下のような症状のことを言われています。
過剰歯とは正常な歯の数を超えてできた歯のことです。
日常、私達歯科医師が遭遇する機会は少なくないです。
過剰歯は普通の歯と違い、きれいに生えてくることはあまりなく、ほとんどの場合はあごの骨の中に埋まったままの状態か、歯ぐきから頭だけがでたような状態になります。参照「過剰歯って御存知ですか?(一般社団法人 豊橋市歯科医師会)」
過剰歯は30人~40人に1人の頻度で発生すると言われ、女性より男性に多く見られます。
また研究者によると、発生する部位は「上の前歯(49.2%)」で、次いで上の「奥歯(37.8%)」、「下の奥歯(6.6%)」の順に多く見られると言われます。
過剰歯は子供の頃に見つかるケースもありますが、多くの場合大人になって発見されることがほとんどです。
過剰歯の原因と種類
過剰歯が発症する原因は遺伝と言われることはあるものの、実はよく分かっていません。
先に紹介した一般社団法人 豊橋市歯科医師会によると、以下の原因が挙げられています。
過剰歯の原因は、歯の元である「歯胚」(しはい)が過剰に作られたり、分裂したりすることによって、歯が多く作られてしまうことだと考えられています。
参照「過剰歯って御存知ですか?(一般社団法人 豊橋市歯科医師会)」
普段の生活習慣などが原因になるということは、恐らくないと言えるでしょう。
過剰歯の主な種類については以下の通りです。
【種類1】正中過剰歯
上顎の真ん中付近にできる過剰歯のことを言い、最も多くみられる過剰歯です。
【種類2】逆生過剰歯
正常な歯と逆向きに生えてくる過剰歯のことを言います。
【種類3】順正過剰歯
正常な歯と同じ向きに生えてくる過剰歯のことをいいます。
【種類4】水平埋伏歯
真横に生えてくる過剰歯のことを言います。
過剰歯の主な危険性やリスク
では過剰歯が生えてくると、どのような悪影響やリスクがあるのでしょうか?
ここでは主なものをいくつか紹介します。
【影響1】子供の場合は永久歯がうまく生えない
永久歯が生えてくる前に過剰歯が生えてくると、過剰歯が邪魔になってしまい永久歯が正しい位置で生えてきません。
また過剰歯が邪魔になることで、痛みが発生してしまう可能性もあります。
【影響2】歯並びが悪くなってしまう
過剰歯が生えてくることで、「叢生(そうせい)」になってしまう可能性があります。
叢生とは歯並びの乱れのことで、歯並びがでこぼこしている状態をいいます。
【影響3】すきっ歯ができてしまう
過剰歯は叢生だけでなく、すきっ歯ができてしまうリスクもあります。
過剰歯が上の前歯の付近に生えてくると、前歯を押し出してしまい歯の間に隙間ができてしまいます。
【影響4】痛みが生じる可能性がある
余分な歯が生えてくることで、他の歯を圧迫し痛みが生じる可能性があります。
また過剰歯が永久歯の歯根を溶かし、永久歯の神経に悪影響を与える可能性もあります。
参照「過剰歯が体に与える7つの影響と治療法を解説(むかえ歯科・小児歯科)」
過剰歯の治療方法(抜歯など)
ここでは抜歯に代表される、過剰歯の主な治療方法をいくつか紹介します。
【治療方法1】抜歯
過剰歯の代表的な治療方法は「抜歯」です。
抜歯による治療は早ければ早い方が歯並びや他の歯への影響が少ないため、早期の治療が望まれます。
【治療方法2】切開による治療
過剰歯が埋伏している場合(埋伏過剰歯)は、切開を行歯茎をめくって抜歯する場合があります。
【治療方法3】経過観察をする
過剰歯がある場合でも、特に他の歯に影響がない場合は、そのまま経過観察をする場合があります。
過剰歯による歯並びの乱れを治すには、まずは歯科クリニックで診察を受けてみましょう。
過剰歯の状態を見ることで、抜歯や切開、経過観察といった適切な治療方法を選択することができます。
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