①歯列を動かすときの痛み
歯の周りには「歯槽骨(しそうこつ)」という骨があり、歯が移動する際にはこの歯槽骨にスペースをあける必要があります。
スペースをあける時には歯槽骨が吸収され、その吸収の際に痛みの物質が発生すると言われます。
特に歯科矯正の初期については、痛みが強くなるケースが多くあります。同時にそのような状態で食事などで刺激を与えると、余計に痛みが増してしまいます。
②歯科矯正の装置が口内を傷つける場合の痛み
これは主にワイヤー矯正をする場合に起こる可能性があります。
これはワイヤー装置の尖った部分が舌や頬、粘膜などに触れ、その度に痛みが発生してしまいます。
最近は硬く尖った装置を覆う「シリコン」や「ワックス」が使われ、従来より痛みが軽減されるようになりましたが、歯が動きワイヤーが締まってきた場合などは、このような痛みが発生する場合があると言われます。
マウスピース矯正は痛いのか?
結論から言えば、マウスピース矯正は従来の歯科矯正と比較して、痛みが軽減されやすいといわれています。その主な理由は以下の2つです。
①多くの枚数のアライナーで少しずつ動かしていく
②自分で取り外しが可能
1つ1つ見ていきましょう。
【理由1】多くの枚数のアライナーで少しずつ歯を動かすから
従来の歯科矯正では、金属製のワイヤーである程度強めに歯列を締めることで、歯並びを整えていきます。その分歯や歯槽骨に負荷がかかり、痛みが発生しやすくなります。
一方でマウスピース矯正は、何枚もの透明アライナーを使って少しずつ歯を動かすため、歯に負担がかかりにくくなります。場合によっては数十枚のアライナーを使うこともあります。
【理由2】自分で透明アライナーを取り外せるから
2つ目は「自分でアライナーの取り外しが可能」という理由です。ワイヤー矯正では強い痛みが出ても、自分で取り外すことができません。
一方でマウスピース矯正はどうしても痛みが強く伴う場合は、一時的に取り外しが可能なため、痛みを軽減しやすくなります。
ただし長時間外した状態が続いてしまうと、歯並びが元に戻ってしまうため、通常時には常にアライナーを装着した状態にしておきましょう。
歯科矯正の痛みを軽減する方法
マウスピース矯正をする上で、痛みをなるべく抑えるためにはどうすればいいのでしょうか。基本的な3つの対処法を紹介します。
1.マウスピース矯正のスケジュールをしっかり守る
2.1日20時間〜22時間の装着時間を守る
3.歯に余計な刺激を与えない
【対処法1】マウスピース矯正のスケジュールを守る
マウスピース矯正は歯科医師に言われた通りのスケジュールを守って装着するようにしましょう。
例えば複数回分のアライナーをまとめて受け取った場合、どうしても期間を前倒しして次のアライナーを使いたくなるかもしれません。
しかし決められた予定よりも早く次のアライナーを装着してしまうと、歯槽骨や歯根膜に過度な負荷がかかることで炎症を起し、強い痛みが発生してしまう可能性があります。
「早く治したい!」という気持ちを抑えて、決められたスケジュールに従ってアライナーを取り替えていきましょう。
【対処法2】1日20時間〜22時間の装着時間を守る
また20時間以上の装着を守ることもとても重要です。アライナーを外す時間が長くなればなるほど、歯列が元に戻りやすく、アライナーを装着し直した時に痛みが強くなります。
食事や歯磨きのとき以外は基本的にアライナーを付けた状態で、普段の生活を送るようにしましょう。アライナーを装着している時間が長くなればなるほど、それだけ理想の歯並びに近づきやすくなります。
【対処法3】歯に強い刺激を与えない
マウスピース矯正の期間中は、なるべく強い刺激は与えないようにしましょう。痛みがある時に硬いものを食べたり、熱いものを飲んだりすると痛みが強くなる原因になります。
特にアライナーを交換したばかりのときは、痛みを伴いやすいくなるのでより注意が必要です。
どうしても痛みが治らない場合の対処法
マウスピース矯正を始めたばかりのときや、アライナーを交換したてのときには「痛くてどうしても我慢できない!」ということがあるかもしれません。
そういった場合の対処法を3つ紹介します。
1.一時的にマウスピースのアライナーを外す
2.専門のカウンセラーに相談をする
3.かかりつけの歯科医師に相談する
【方法1】一時的にマウスピースのアライナーを外してみる
先ほども述べたようにマウスピース矯正の特徴の一つは「自分で取り外しができる」ということです。
万が一痛みが止まらない場合は、一時的にアライナーを取り外してみましょう。
【方法2】専門のカウンセラーに相談
マウスピース矯正のブランドには、専属のカスタマーサポートがいる場合があります。そういったサポートスタッフと連絡を取り、適切なアドバイスを求めるのも有効な方法です。
Zenyum(ゼニュム)では「スマイルアドバイザー」という専属スタッフにLINEで無料相談をすることができます。歯の痛みや不明点については、気軽に相談をしてみるといいでしょう。
【方法3】かかりつけの歯科医師に相談
上記2つの方法でも解決しない場合は、かかりつけの歯科医師に相談をしましょう。
医師の視点から適切な対処法を聞き、痛みを少しでも軽減するようにしましょう。
体験者からの痛みに関する声
ここでは実際にマウスピース矯正をしてみた人の「痛み」に関するコメントを、Twitterからいくつか紹介したいと思います。
歯科矯正の痛みに関するまとめ
ここまで歯科矯正の痛みの原因や、マウスピース矯正の痛みへの対処法について紹介をしました。
最初は比較的痛みを強く感じるかもしれませんが、それはしっかり歯が動き、歯並びが整っている証拠でもあります。
しっかりと歯科医師のアドバイスやマウスピース矯正の治療の流れに従いながら、1日でも早く理想の歯並びを実現しましょう!